いつか口癖が変わる日まで

書く事が夢でありますように

霜柱が建つ音

寝起きに真似たいと思う文章を追いかけて朝の硬い冷気のように整然と並ぶ漢字を一つ一つ読みしめていくと、霜柱を踏む、あの感触と同じ手応えが体の芯部に湧く。 書けるかなそういうの私にも。ちがうよ。もともと並んでるんだ。遠くから探しちゃだめさ。汲み…

手放したものは追いつかない。

ミライの私と私で今日はあそんだ。ミライの私は私よりミライにいるから私はミライの私を真似ているようだしミライの私にうそはつけない。ミライの私が私をうらやましそうに見るのには理由があるが私にその理由を教えることはない。私がそれはずるいと思って…

青仄かな日々

ホテルの窓から夕景を眺めている。すごく綺麗だと彼女は思って写真を撮る。 インスタ映えする写真にはなった。でもそこから彼女はじっと画面を見つめ、文章を考える。 頭の中に色んな言葉が浮かんでくるけど、どれも決め手に欠けると彼女は思う。 ため息をつ…

文体を真似て生きる

一日中ベッドから空を見上げる。家の周りで立ちあがる音とはどれも顔なじみで連想ゲームにもならないなと思う。 部屋の窓からの景色二十年ちかく変化がない。 あの電柱は山崩しの棒のよう。電線はあやとりに見える。ウチも繋がっていたなんて今日まで確認し…

痛むのはファンタジー。

主人公は死んだ。 ラスボスの会心の一撃は主人公の心臓を一突きし身体を貫いた。 画面に映し出される文字。 「GAME OVER」 ただ主人公はまた生き返るだろう。 新たなストーリーでやり直すはずだ。 ただ私たちは違う。 中断した物語と新たな物語の狭間の物語…

言霊写真

私「ちょっとこの写真を見てくれないか?」 男「はは。自撮り写真か。よく撮れてるじゃないか。それにこの文章が良いな。最近は色んな加工が出来るからな。お前の決意?みたいのを感じるよ」 私「・・・」 男「どうした?顔色が悪いぞ。何か不愉快なことを言…

あさっての挨拶。

暗闇で発光するスイッチの光の慎ましい主張と誘導。あなたからの言葉のようだね。その光には無数の意味の粒子があってもしかしたら僕らモールス信号の瞬きのような会話をしてるんじゃないかしら。 あなたに電話をしてみて話す。最近どう?早く休みが終わって…

サヨウナラが教えてくれること。

別れのあいさつの言葉。 何気なくかわされる言葉。 「もう少し大事に使ってほしいんだ」 「さようなら」がベンチに腰掛け 私の横に座りながら愚痴る。 「みんな別れぎわに俺を使うんだけど、 そんな時は相手の目を見てないし、どうせまた会うしって思ってる…

そういうことかもしれない。

この間の夜は眠れなかった。 ひとつの言葉に色んな意味をつけてしまったせいで、たくさんの「そういうことかもしれない」で私の部屋はいっぱいになった。 ある「そういうことかもしれない」は部屋の天井をぐるぐると回り、ある「そういうことかもしれない」…

面影が瞬く。

あなたを消したあの瞬間にすこしの後悔はないけど、泣いてたように見えたのはあの時の想い違いだったのかな。 あなたを消した瞬間の後はぜんぶ過去。それなのにあなたは「今」にも「過去」から笑ってみせる。それは触れることのない手をあたしの頭に置く仕草…

私以外は満ち干き

浅瀬だった。遠くに見える浮きが空と海の境界を行き来していた。近づいてきたり近づいていると勘違いしていた。景色は変わり身体はゆらぎ足の裏にも進んだという感触がある。錯覚だった。足先から遠ざかる砂二度と戻らない波抱きよせる波間の柔肌あらゆるが…

明日に追い抜かされた今日

明日に追い抜かされた今日が終わって、振り返って、時間の厚さに栞が差し込んであって、その「時」は開くまでもなく、諳んじてみせれるけど、目印を持たない、たしかに書かれている無数の文字は秒単位のもので、繰り返し繰り返しが繰り返され、栞は目印のな…

毛布

何処かにありそうな空間で僕は会ったこともない昔からよく知っているたくさんの人達が現れては消えていく心地がする。 一人の女性は悲しそうな表情で僕を見つめているが、毛布に包まれているかのように見えていたのは後ろの男性のせいだった。 うわぁぁ。も…

真っ赤な傷。

わたしは家にかえるとちゅうだった。 左手に傷ができていて 本当は「痛い」って言えば よかったんだということはわかってた。 そしたら、ともだちが心配してくれたかもしれないしママもどうしたのって聞いてくれたかもしれない。 でも傷口をずっと見てたら、…

複雑な私たち

私たちはとても複雑だから 定まったときに定まった感情が 都合よく姿を現したりしない。 どれもこれも内気なのが多くて 本当にいてほしかったり、 誰かに伝えるのに必要だったり 涙を流すのにそばにいてほしい時に いなかったりする。 たとえば「毎日何やっ…

誰か宛の手紙

どうして私宛だなんて思わせたいの? いもしない自分の仮面に告白させて、 誤魔化す言葉の嘘が透き通ってる。 瞬いて見えるのは、真っ赤な嘘と白々しい真実を行き来する何色でもないあなたの臆病な残存だけ。 明滅を繰り返すビルの赤色灯にでもなったつもり…

おはようまでおやすみ。

蛍光灯の光は朝の陽の光とそっくりで眠りかけている部屋には眩しすぎたみたいで起こしかけてしまった。 そっと白熱電球の光に変えて今日の思い出を部屋の色んなものの間に映して眺める。 見てたつもりで何も見てなかった。 朝から繰り返されるているのは言葉…

踊るカーソル

寝静まった部屋を起こさないように火照る画面に指先を踊らせて舞いあがる気持ちを言葉に押し込む 気持ちが急けば急くほど想いは躓いて転びかける 残りものの中秋の名月からこれ見よがしに忍び込む青白い衣を虚飾の上から身に纏って好き勝手に想いを踊らせれ…

ため息が出るブログ

イヤホンから聞こえるメロディを聞きながら、今日も無意識にブログを開いているんだろう? ブログにはただ文字に目を通しているだけで、君は小さくため息をついて文字をふわりと消していった。 此処にいる意味を繰り返し自分に聞き続けたのかい? わかるさ。…

せつないの寄せ集め。

今、中途半端に何かを言いかけた伸ばす手を躊躇した 夏夜を見上げる光は前にある あの頃を振り返るきっと何かを忘れてしまったのだろう ずっと言えなかったどこまでも歩きつづけたはしゃぐ後ろ姿から目をそらした夕立ちがきて雨宿り 消えそうなビルの屋上の…

僕にはあなたしかいない。

今まで悪かった。 よそ見ばかりしちゃったね。 僕にはあなたしかいないのに。 もうこれからはあなたのいつもの突拍子もない思いつきにも付き合うよ。 いつだってあなたの味方になる。 僕にとってはあなたはいつだって正しかったに違いない。 だからもう迷っ…

ここはブログじゃないぜ。

読んでくれてありがたいんだけど、この文字が書かれているところはブログじゃないぜ。 かといってこの余白の部分もブログじゃないんだぜ。 今回のブログはずっと前から完成していて、前回と今回の間の空白の部分にブログがあるんだぜ。 そうなんだ、この空白…

月と心から見れば。

夜の街を歩く去年の貴方とすれ違う時間さえなかったらぶつかるはずだった 見上げると貴方を乗せた飛行機月から見れば私達は一瞬重なった距離って何だろう私達が最も接近した日 遠くの街を歩く貴方時間さえ重ならない距離でもココロから見れば私達は重なり合…

「おやすみ」を君に。

おやすみって言うから、 僕がこれから眠りに落ちていくことを知っておいてほしい。一人で寝続けてしまわないように。君に起こしてもらえるように。 おやすみって言ったら、 それで君が少しでも眠りに誘われてほしい。まるで僕が寝かしつけたみたいに。僕が君…

文体で見つけて

あたしは最近、別のサイトで書いている。そこではハンドルネームもアイコンの写真も此処とは変えているの。 彼はあたしの別のブログも読みたいと言った。だからあたしは何処で書いているかだけを教えてやった後に言ってやったの、あたしのことを文体で見つけ…

ダイブ

ゆっくり太陽を見上げたまま深くダイブしたい まだ言葉にするには早過ぎるもっと深く周りの色が変わるまで どんどん沈んでいく海面の賑やかさはもはや遠い私は一人だだがまだ早いもっともっと奥まで 浮きながら沈んでいく周りは暗くなり孤独だ水圧が身体にか…

音が似合わない言葉

音が似合わない言葉というものがある。 音声にすると不自然な言葉。 それは言いづらいとかじゃなくて、 文字だから似合う言葉 だからブログや手紙がある ただブログを書いていると 音にしない方が良い言葉 文章が似合わない文字 伝わる機能がない言葉 この境…

つくる人たち

朝から唸る小説を読んで 綺麗な音楽聴いて感傷的になって モノを作る人ってすごいよな。 でもさ、 「ブログ」だって「モノ」だと思うわけですよ いいモノは良い 作った人が有名か有名じゃないかくらいの差しかないよね 素材は皆んな同じで目の前にある うう…

此処からは空とビルが高すぎる

出会いは運命的だった。僕等が望んだわけじゃなかった。 まるで誰かが決めたように、それは最初から決まっていたかのように、あのタイミングでしか起こらなかった僕等の出会い。 僕は貴女の横顔を思い出す。貴女の顔の奥に見える夜景も、賑わっている煌びや…

女性15名のポートレート(15/15)

2人でおみくじを引いてみる。 「特に男女の間つつしむべし」 おみくじにはそう書いてある。 私達は顔を見合わせ笑う。 「こういう場合は解釈が難しいな」と僕。 「どこが?」とあなた。 「ごほん。つまり、俺達ってあれだろ?」 「あれって?」 「あれだよ」…