いつか口癖が変わる日まで

書く事が夢でありますように

世界は自分次第

夏休み最後の日。
友人から譲り受けたチケットを持ち
照明で夏の夜に浮かび上がるスタジアムに入った。

観客はまばらだったけど、
それでかえって秋風がとおり抜けやすくなっていて涼しかった。

いささか苦めの地ビールを飲みながらゲームを眺め、飲み干した時はハーフタイム直前となっていた。

私はゲームに夢中になっている観客に背を向け二杯目のビールを買いにいった。

チームの大きめのユニフォームを着た女の子にビール代を払い、席に戻るために階段を上がっていった。

その時、大きな歓声が上がるやいなや観客が静まりかえっていた。
失点したのだと思い駆け足で登ると、
そこには失点で落胆する顔ではなく、ハーフタイムの打ち上げ花火に茫然と見上げる人々の顔があった。

思わず「秋だな」と一人呟き、
照れ隠しでビールを飲み干した。

 

 

 

なのか、

 

 

 


夏休み最後の日なのに、
試合観戦に付き合わされた。

球場は古くて汚くて、
そのくせ照明だけが下品に光っていた。

不人気チーム同士の試合なんか誰も観たくないから会場はガラガラ、おかげでポップコーンとかカレーとか味噌汁とかの混ざった臭いのする風が鼻をつく。

本当はアサヒスーパードライを飲みたかったのによく分からない味のする地元のビールしか売ってなくて仕方なくそれを飲んだ。

不味いし飲んでも減らないし、結局飲み終わったのはハーフタイム直前。

私は選手にヤジを飛ばすおばさんや、スルメを片手に怒鳴り散らしているおじさんから目を背け、口直しに缶ビールを買いに行った。

チームのユニフォームをダボダボに着たおばさんに聞いたら地ビールしかなくて、結局それを買いイライラして階段を上がった。

その時、大きな歓声が上がるやいなや観客が静まりかえっていた。
失点したのだと思い駆け足で登ると、
そこには失点で落胆する顔ではなく、ハーフタイムの打ち上げ花火のショボさに呆れる顔があった。


思わず「飽きたな」と一人呟き、
ひと思いに不味いビールを飲み干した。