いつか口癖が変わる日まで

書く事が夢でありますように

女性15名のポートレート(9/15)

 

こういう草原みたいなところでピクニックをしてみたかった、とあなたは言いました。

私が「まるでモネの日傘の女みたいだね」と言ったら、

「全然違う。ここは日本なのだから、日本昔話のおむすびころりんの方がしっくりくるに決まってる」と言ったのでした。

斜面にシートを敷いて、あなたが朝早起きして作ったお弁当を食べました。おにぎりとか唐揚げとか玉子焼きとか。

食後のお茶を飲んだ後、斜面を滑り台みたいにして少し遊びましたね。

そのうちに疲れて二人で仰向けになって空を見上げてました。

仰向けになって寝転ぶと草は意外と生い茂っていて並んで横になっているのにあなたの顔は見えませんでした。

風が吹くと草の匂いをどこかに連れ去ってしまったのだけど、揺れる草の間からあなたの横顔が少し見えました。

あなたは目を閉じていて寝ているようでしたが実は寝ていませんでした。

握っていた私の手を強く握ってきてくれたのでそれに気づいたのでした。

でも、もしかしたらあなたは泣いていたのかもしれません。

私は、せめてあなたの日々の疲れが少しの間なくなればいいと思っていました。