あとまわし

書く事が夢でありますように

感情が燻る

 

書き残しておきたい、と思える感情がずっと続いているのだけどそれはどのようにして書いたらいいのかイマイチ分からないのだ。


その感情が自分の内側から香りたって消えてなくならないように膜になってくれるような音楽をスマホの中から探してもみたけれど、どの音楽も好きなものには違いないけど膜にはなってくれないどころか別の香りを持ち込んで感情が混じってしまいそうになる。


素直に書かなくてはいけない。
この間参加した詩の教室で先生はそう言っていたよ。素直に、覚悟を持って、自分の言葉で相手に伝えるのだ、と。


目が慣れたくらいの暗闇と瞼を閉じた時の闇は同じ色の濃さなんだね、とスマホの画面に文字が並ばされていく。
朝の小学校の朝礼のように画面の文字は整然と並ぶことに飽きてしだいにいくつかのグループにまとまりだす。


私は何度も何度も台の上から叫んだけれど、みんなには私の声が聞こえてはいなかった。声になっていない音で頷きあっているなかで誰にも届かない声を発して口をぱくぱくとさせているのは私だけだった。