あとまわし

書く事が夢でありますように

ongaku

私から椅子に繋がれて
眠るまで音楽が聞かされている


実体のない自分を踊らされながら
イヤホンから右往左往に逡巡する言葉が
虹彩に沿いながら浮かびあがり
不安な号外として流れていく


捻れて還るところは
現実と記憶の合わせ鏡のあいだ


ただ自分のなかを駆け巡る
音と音の間に生じる稲妻に私を見た


目が覚めたとき
カセットテープは自動で再生を繰り返し
テープはとうに擦り切れ切断され、

それでも残像のように鳴り続ける私だった。