2019-05-16 ongaku 私から椅子に繋がれて眠るまで音楽が聞かされている 実体のない自分を踊らされながらイヤホンから右往左往に逡巡する言葉が虹彩に沿いながら浮かびあがり不安な号外として流れていく 捻れて還るところは現実と記憶の合わせ鏡のあいだ ただ自分のなかを駆け巡る音と音の間に生じる稲妻に私を見た 目が覚めたときカセットテープは自動で再生を繰り返しテープはとうに擦り切れ切断され、 それでも残像のように鳴り続ける私だった。