あとまわし

書く事が夢でありますように

あさっての挨拶。

暗闇で発光するスイッチの光の
慎ましい主張と誘導。
あなたからの言葉のようだね。
その光には無数の意味の粒子があって
もしかしたら僕らモールス信号の
瞬きのような会話をしてるんじゃないかしら。


あなたに電話をしてみて話す。最近どう?
早く休みが終わってほしいわ。また手紙を書きたいんだ。聴こえてくる声の適切な距離ってどのくらいなのかしらね。会話がもつれる。連なりのないぱらぱら会話。それとも「ON」と「OFF」が向かい合わないのと同じなのだろうか。


正月のデパートは盛況でエレベーターは
真夏の流れるプールのように人の足をさらっていく。毎週訪れる週末のように会う人もいればまったく異なったカレンダーの中にいる人もいる。同じ日も同じ季節も巡ることはない。あの角を右に曲がれば横切ったであろう人とは会うことはない。


「さようなら」と聴こえたのはきっと
あさっての方向からではなかった。