2018-12-01から1ヶ月間の記事一覧
浅瀬だった。遠くに見える浮きが空と海の境界を行き来していた。近づいてきたり近づいていると勘違いしていた。景色は変わり身体はゆらぎ足の裏にも進んだという感触がある。錯覚だった。足先から遠ざかる砂二度と戻らない波抱きよせる波間の柔肌あらゆるが…
明日に追い抜かされた今日が終わって、振り返って、時間の厚さに栞が差し込んであって、その「時」は開くまでもなく、諳んじてみせれるけど、目印を持たない、たしかに書かれている無数の文字は秒単位のもので、繰り返し繰り返しが繰り返され、栞は目印のな…
何処かにありそうな空間で僕は会ったこともない昔からよく知っているたくさんの人達が現れては消えていく心地がする。 一人の女性は悲しそうな表情で僕を見つめているが、毛布に包まれているかのように見えていたのは後ろの男性のせいだった。 うわぁぁ。も…
わたしは家にかえるとちゅうだった。 左手に傷ができていて 本当は「いたい」って言えば よかったんだということはわかってた。 そしたら、ともだちが心配してくれたかもしれないしママもどうしたのって聞いてくれたかもしれない。 でも傷をずっと見てたら、…
私たちはとても複雑だから 定まったときに定まった感情が 都合よく姿を現したりしない。 どれもこれも内気なのが多くて 本当にいてほしかったり、 誰かに伝えるのに必要だったり 涙を流すのにそばにいてほしい時に いなかったりする。 たとえば「毎日何やっ…
どうして私宛だなんて思わせたいの? いもしない自分の仮面に告白させて、 誤魔化す言葉の嘘が透き通ってる。 瞬いて見えるのは、真っ赤な嘘と白々しい真実を行き来する何色でもないあなたの臆病な残存だけ。 明滅を繰り返すビルの赤色灯にでもなったつもり…
蛍光灯の光は朝の陽の光とそっくりで眠りかけている部屋には眩しすぎたみたいで起こしかけてしまった。 そっと白熱電球の光に変えて今日の思い出を部屋の色んなものの間に映して眺める。 見てたつもりで何も見てなかった。 朝から繰り返されるているのは言葉…
寝静まった部屋を起こさないように火照る画面に指先を踊らせて舞いあがる気持ちを言葉に押し込む 気持ちが急けば急くほど想いは躓いて転びかける 残りものの中秋の名月からこれ見よがしに忍び込む青白い衣を虚飾の上から身に纏って好き勝手に想いを踊らせれ…