あとまわし

書く事が夢でありますように

ロシア×息子×父親

仕事は貿易関係顧客はロシアにいる彼らはいたって普通 毎日繰り返される会議状況は刻刻と変わる 父親との会話が増えた昔、海外事業部にいた父親から過去の経験談を聴く結構、ためになる 父親に憧れたり同じ職業につきたいと思ったことはない でも何となく同…

凪する

私専用の小さな机があって、手書きの日記とか仕事をしたりする時に使っている。好きな本が何冊か並んでいて、そこにはビジネス書と詩集が並んでいる。 ビジネス書を読んだりするのも好きだし、詩集を読んだりすることも好き。でも、そのふたつは両立しないよ…

都市鉱山のひかり

電車が僕の目線をひっぱっているのか僕が電車を目で追っているのか、ともかく視界から消えていった 都市鉱山の坑道で見つけだしたたくさんのレアメタルをもってゴンドラのような車で坂道を昇っていったときの眼下の光景だ 真正面にいる月は堂々としていて空…

朝の車たち

切り返している車も私も白い息どちらも等しく排気ガス 雨戸が開いていく音と閉まる音を聴き分けることができる 高速道路の車も水の流れでも遠くのものはゆったりと流れている 覗き見のためのジャンプ空に向かって裸足になる

明け方の改造車

明け方の空は錆びてしまった空の色 走り去っていったけばけばしく光る改造車はとても綺麗だったけれどきっといるべき場所も似合う場所はどこにもない マンションの一室だけが光っていて起きてるのはあなただけですとそっと伝えてみたい 年末年始をひかえた自…

口笛

機嫌がいいときだけ口笛をふくわけじゃなくてなんか自分から 口を突きだして少しだけ前の空気に 唇を押し当てて穴をあけるように 音をだしてみる そんな些細な つまらないことも日記にはなる って知らなかったな

腹話術

ねえ俺がはじめてここに来たの二十年まえだよマスター、ここは変わらないね、俺と同じくらいに来てた人でまだ来てる人っているの?あいつ?知らないけどさ、もうぜんぜん部屋からも出てこないんだって、そう、近くに住んでるんだけど、さっぱり見かけない、…

なりかけ。

主観が薄まっていくとき、って彼は言ったたしかにそういう時はある 誰かになっていく途中のような、誰かに支配されてるような感じ ずっと自分らしさを憧れているのになぜか自分じゃなくなっていくときがいろいろと忘れられる そういうときは無性に何かをした…

「ここではないどこかへ」

いつか此処ではないどこかへ 初めて他人に向かってそんなことを言った高校生のとき、「そんなことは言うべきじゃない。あなたがしなければならないのは今此処でベストを尽くすことでしょ」と言われた。 それでもいつか何かが待っている そんなことを思ってい…

雑記

僕は深化していかなきゃならないたとえ一人になってくとしても冷徹な目の先には誰もいなくなる どうせ合わさる視線には何もない不確かな望みしかない 希望はどこかにあるのは信じてる言葉にしないかぎりは 宙に浮かんでるわけでもなく何処かに在るわけでもな…

清掃員

好きなバンドが出来て一曲ずつ丁寧に好きになっていってる。 人と人のツナガリには甘い寂しさがあって生まれた時から中毒だ でもツナガリを必要としない儚い夢もあるただ走りたくなるような そんな欠片を集めて泣いて誰にも言わないで胸の奥にしまっておく …

ほどほど、文体。

ねぇ、緊張してるの?してるわけない。なーんだ。古い付き合いってやつ?そう、それそれ。じゃあ、新しい付き合いになったらどうなるの?緊張するの。 ここでは軽く書くことにしなきゃ。不器用だからさ、ついついさ。自分、不器用だからさ。もういいってば。…

消えていく行。

何にも書かない日があったっていい。書けない日があってもいい?書かれない日があってもいい。書きたくない日も?書きそびれただけだよ、それは。書きたい気持ちはいつでも。だったら書けばいいだけ。それだけ。 文章やらなんやらを書きたいと思うけれど、ど…

「求める言葉」

「求める言葉」に久しぶりに会いに行った。たぶん1年ぶりくらいだ。 久しぶりだね。どうしてた? 「なにも変わらないよ。私はあのときのまま。ただあなたが私を忘れたというだけ」と「求める言葉」は僕に言った。 ごめん。忘れるつもりはなかったんだ。でも…

(目を閉じる)

しっくりこない聞こえてくるまわりの会話頭の中の言葉の連なり景色に繋ぎ目が見える (目を閉じる) 目がおおきい。見ないで。見飽きない。やだ。ずっと見させて。やだ。こっち見て。やだ。こっち見てる。 目を合わせて抱きしめる見えなくなる抱きしめたいのは…

白い副作用

埃とか白壁とか見過ごす癖がついたものがよく見える、今日にかぎって。白が濃いのもロキソニンの副作用。 明日になったら忘れてるから。そう笑って。でも思いだすことは忘れない。ずるいよ、それ。またそうやって笑うのは。 例えば急ブレーキ。エアバッグを…

日曜日(7月提出)

平日と同じ仕草で起きて見る、光 洗濯物は濡れたまま積まれてまわる光よりも乾くランドリー 布団の輪郭と散らばるコードで風紋 一億回こっそり再生された動画をなぞる 日曜は日曜以上にいつもと同じ日だから足早に帰る人びとのおと 何もしないをするふりして…

する、させる、あげる、もらう。

とてもおせっかいな言葉たちでわたしはひとつひとつの行為をわきまえる 誰かにはあげるだしそのうちさせるにもなる するは見せかけでもらうにはかくした意味がありそうでこわいあげるってなんかセクシャルだ あなたにはするわたしにさせるあなたはしてあげる…

夏の空耳。

夏になると飲みたくなる三ツ矢サイダーペットボトルを片手に田圃を眺めていた。 炎天下だったけど、一人で田圃の前に立つと涼しかった。 鉄塔の電線で風が割れる音。足下を流れる水路を通る水の音。 風は稲の上に足跡を残したように通った。 あたりには誰も…

いつからかの夏

夏がはじまったね。まだはじまってないよ。いつからはじまるの?終わったときだよ。終わったときにはじまっていたことに気づくんだよ。 消えるのかな。まだ消えてないよ。いつ消えるの?別のものが現れたときだよ。別のものが現れたときに消えてしまったこと…

今日も祈る。

繰り返される明日の前夜目覚めて今日だったことに気づくなにも変わっていかなくて安心する 明日は変えよう近づいて手をのばし頬に触れようあなたは笑うだろう、私も 真夜中に眠りに落ちていきながらぼんやりした光に起こされる つけっぱなしのテレビでは誰か…

臆する。

自分に向けられてるかもって思ってしまうことを、自動的に、そんなわけない、と思いなおしてしまうのは昔からの癖。「もしかしたら」はかたつむりの角みたいにひっこむ。 待ち方を知らないものを待ってます。バスや電車の待ち方は知っているのですが。スマホ…

いつから来る夏

朝まで都内を徘徊して過ごした 夏の温もりは消えずに明け方の街に積もっている 始発が一日の終わりだなんて僕等らしい空が白んでいくのを車窓からただ眺めた 少しだけ寄り添ってまどろんだ朝の街の匂いがする 電車から降りて雑踏を歩く、 「夏に嫌われていた…

後悔が呼んでいる。

悲しいくらいの後悔あとになって気づくことが多すぎる 明日は嫌なことがあることを思いだしたり 今になって好きな曲の歌詞の意味が悲しかったり (誰かの気持ちを想ってみたり) わざと忘れたフリをしたんだって知ってるだろう? 仕返しにきたの?取り戻せない…

いじける。

夜中は静かで自分の心を見つめるのにちょうどいい どうやら私の心はいじけてしまったらしい それも小学生の男の子のように 何を聞いてみても答えてくれず首をふるばかり さびしいの?かなしいの? 今度はそっぽ向いてしまった こういうときは放っておくしか…

会いたい、けど、

到着します。まもなく電車が、変だよ、それは変だよね、意味がわからない、そんなこと、 催眠術のようによく眠ってるみんなこんな朝はどう思う?本当は、こんな風になにもしてない 通ってる景色を見ながらあなたの顔が最初だけ濃くてかすれる大きなモーショ…

(とくべつ?)

バランスが大事なんだ。バランス?そうバランス。バランスが崩れたら何が起こるの?わからないよ。怖い。怖いよ。このままでいいじゃない。だめだよ。だめなんだ、だめなんだよ、このままじゃ。 戻ったのかな、バランス。戻ったよ。変わらないの?変わってな…

ongaku

私から椅子に繋がれて眠るまで音楽が聞かされている 実体のない自分を踊らされながらイヤホンから右往左往に逡巡する言葉が虹彩に沿いながら浮かびあがり不安な号外として流れていく 捻れて還るところは現実と記憶の合わせ鏡のあいだ ただ自分のなかを駆け巡…

今度こそ忘れないようにする

気がついたらお坊さんがもう近くまで歩いてきていた 通り雨が上がって急に日が差し始める砂利道から湯気が上がる日差しで首筋が痛い 汗が背中とかお腹を流れているのを感じるワイシャツが汗を染み込んでいく 蝉の鳴く声が遠くから聞こえてくる 「晴れ男と晴…

名前を呼んで

暗闇で発光しているスイッチの慎ましい主張と誘いあなたの言葉のようその光には無数の意味の光子があってもしかしたらあたしたちモールス信号のような会話をしてるんじゃないかしら あたしはそこにずっといたあなたには気づいてもらえなかったもっとあたしを…